ADBとは
FF12のバトルは、ADB(アクティブ・ディメンションバトル)という独自のシステムを導入しています。ADBとは、アクティブ・ディメンションバトルの略称で、プレイ中に時間と空間の継ぎ目がない、という特徴があります。例えば、この後に発売されたFF13などと比較すると、エンカウントで画面が戦闘モードに切り替わり、たたかうために設定するオプティマはバトル中には変更できませんし、バトル前に装備した武器やアクセサリも戦闘中には変更することができません。しかしFF12は、たたかうために設定したガンビットも、バトル前に装備した武器やアクセサリも、戦闘中でも変更することができます。 そのため、FF12バトルの自由度はとても大きく、また、とても繊細な作戦を練ることができるのです。
時間と空間の自由度が及ぼすもの
敵との戦闘
上記の通り、RPGの多くは、エンカウントと言って、敵に遭遇すると戦闘画面に切り替わってバトルが始まるシステムを導入していますが、FF12の場合は、敵に遭遇しても画面が切り替わらずにそのまま攻撃態勢に入れます。つまりは全てがリアルタイムに進んでいくので、狙っていない敵に不意打ちされることも多々あります。自分よりもはるかにレベルの高い敵に不意打ちされると瞬殺されてしまうこともありますが、ADBの利点として、無理だと感じたらエスケープボタンを押し続けて、隣のエリアに逃亡することもできます。
特に弱くてニューゲームなど、低レベルでプレイ中にはエスケープは非常に助かる操作になります。しかし、同ゾーン内では敵を振り切れないことも多々あるので、その場合は境界線を越えて隣のゾーンに移動しましょう。
フィールドでの距離感
FF12のフィールドも、ほぼシームレスに作られています。どういうことかというと、隣のロケーションとの境界線に立つと、境界線の向こう側に進行先のゾーンの景色を確認することができます。隣同士のロケーションがつながっていることがわかる瞬間です。それによりプレイヤーは、多少のロード時間はあるものの、ほぼ違和感なく隣のゾーンに移動することができます。バトルフィールドも、現実世界での距離感がリアルに再現されていて、遠くに見える敵、近くにいる敵を視覚的に確認することができます。パーテイのリーダーの所定範囲に敵が侵入してくると、ガンビットに従い、リーダーは戦闘態勢に入ります。リーダーが戦闘態勢に入ると、他のメンバーも戦闘態勢に入ります。
移動中に境界線の向こうに隣のゾーンの景色が見える。この境界線を越えるとき、多少のロード時間があるが、PS2の頃のロード時間に比べれば、かなり改善されている。
アクティブモードとウェイトモード
パーティメニューを開くと、左サイドメニューリストの一番下に「コンフィグ」というカテゴリーがあります。このコンフィグを開くとゲーム中の環境を設定できる画面が開きます。その中にバトルモードの設定というのがあって、ウェイトか、アクティブか選択できるようになっています。 ウェイトモードとは、例えば戦闘中にバトルコマンドを開いたり、パーティメニューを開いたりしている間は、ADBの概念が働かず、時間を止めて操作をすることができます。アクティブモードはその逆で、バトルコマンドを開こうと、パーティメニューを開こうと、戦闘はどんどん進行していきます。操作中にゲームオーバーになってしまったりすることもありますので、ADBに慣れないうちは、ウェイトモード設定をお勧めします。
コンフィグでの環境設定はバトル中にも変更することができる。アクティブモードで無理めと感じたら、早めにウェイトモードに変えましょう。
レベルアップと敵から入手するアイテム
FF12のレベルアップシステムも、このADBの影響を大きく受けています。RPGの多くは、戦闘が終わった後にレベルアップしたり、ステータスが加算されたりするシステムを導入していますが、ADBは戦闘中にもEXPが所定の量に達すれば、リアルタイムにレベルアップすることができます。また、戦闘中に盗んだアイテムや、敵を倒したときに拾ったアイテムや装備も、戦闘中にバトルコマンドで選択して使用したり、パーティメニューを開いて装備することもできます。
敵を倒した瞬間に入手したEXPが表示され、次のレベルアップに必要なEXP数に達していると、その瞬間にレベルアップも表示されます。
バトルチェイン
バトル中の時間がリアルタイムに進んでいくことで、FF12では同じタイプの敵を倒し続けるとバトルチェインを発生させることが可能になりました。バトルチェインを発生させることで、チェインレベルを3段階まであげることができ、チェインレベルが上がれば上がるほど、モンスターのドロップアイテム確率が高くなったり、超低確率のアイテムを落としやすくなったりします。また、チェインレベルが上がるたびにプロテスやシェルなどの補助効果を得ることができるようになります。ノーライセンスプレイに挑戦中は、このチェインレベルで得た補助魔法が非常に有効となってきます。
チェインレベルには4段階あり、レベルアップするごとにアイテムのシンボルも変わっていきます。
パーティ
FF12で操作できる人数は最大で3人です(ゲストを含む場合は4人)。フィールドを移動したり、敵とバトルしたりするキャラクターの集まりをFF12では「パーティ」と言います。パーティ編成は、3人で戦うのが基本ですが、1人減らして2人で戦うことも、たった1人で戦うことも可能です。また、ADBに則り、戦闘中にパーティメンバーを1人減らしたり、逆に1人で戦っていたところに、もう1人メンバーを増やすこともできます。強敵に1人で挑むなどのやりこみができるようになり、そこがFF12の魅力となっています。パーティの現在の状態を確認できるのがパーティメニューです。装備、ライセンスボード、ガンビット、所持品などを確認することができます。また、パーティメニューは、ADBに則り、戦闘中でも開くことができます。
FF12のパーティメニュー。バトルメンバーの数はここで調整します。ただしゲストがいるときは、ゲストをリザーブメンバーにはできません。
ジョブシステム
FF12製作チームはインターナショナルを発売した時、ジョブシステムを導入しました。ジョブシステムは星座に当てはめた12のジョブをそれぞれのキャラクターに一つずつ設定し、元々個性的なキャラクターを、より個性的に磨きあげるものです。しかし、武器は限られた種類のものしか装備できず、無印版で全てのレア武器を装備できたシステムに慣れていたプレイヤーには、やや物足りなくもあったのがインター版のジョブシステムでした。しかし、このジョブシステムに、もう一つのジョブが追加できるようになったのが、ザゾディアックエイジなのです。それにより2つのジョブに装備が許されたレア武器を使用することができ、無印版に近い戦闘が味わえるようになりました。
PS版ではジョブは一度決めてしまうと最後まで変更することができませんでしたが、任天堂スィッチ、Xboxに移植時に途中でジョブ変更が可能となりました。戦況に応じてジョブを変更できるさらなる自由度が叶いました。
ライセンスシステム
魔法を使うのも、技を使うのも、そしてレア武器などを装備するのもライセンスが必要です。各ライセンスには所定のライセンスポイントが必要で、このライセンスポイントのことを短縮してLPと呼びます。LPは敵を倒さないと取得できず、フィールド上の雑魚から取得できるLPは、ほぼ「1」です。大型のモンスターや、レア、ボスは比較的大きなLPを取得できます。またライセンスはジョブによって取得できるものとできないものがあるので、自分的に絶対に外せないライセンスがある場合は、ジョブ選びを慎重にしなければなりません。
ライセンスはジョブを選択しない限り取得することができない。また、ジョブごとにライセンス内容も異なるのであらかじめの予備知識が必要。
ガンビットシステム
ガンビットは、バルフレアとフランがガラムサイズ水路でパーティに加わったときから使えるようになります。最初はスロットが2枠しかありませんが、ライセンスを取得することで最大12スロットまで増やすことができます。各スロットの右にターゲット、左にアクションを設定し、パーティメンバーの戦闘時の行動を決めていくのです。一番上に来たスロットが最優先で実行されますので、回復系のアクションが最上位、攻撃系のアクションは最下位になるのが一般的です。
物語の序盤でバルフレアがガンビットの使い方を説明してくれる。複雑なガンビットにするとメンバーが何も行動しなくなるので、ひとまずバルフレアの指南通り、回復ガンビットは上、攻撃ガンビットを下にして徐々に慣れていこう。